中学校 技術「計測・制御のプログラミングによる問題の解決」

横浜市立高田中学校では、中学校2年生の技術「計測・制御のプログラミングによる問題の解決」で、基本的なプログラミングの知識と仕組みを理解する授業で実施。MESHを活用し、授業実践をされた小池先生に、授業実施の背景やどのように授業を展開されたのかを伺いました。
  • 学校名 :横浜市立高田中学校
  • ご担当先生 :技術・家庭科 担当教諭 小池 明 先生
  • 児童数 :2年生 全116名(4人1グループ)
  • 実施時間 :5時間分
  • 使用端末 :Chromebook
  • 指導案公開 :なし
 
 

今回の授業を実施した背景は?

平成 29 年3月 31 日の学習指導要領の改訂による技術・家庭科目の「技術分野」の(D)情報でプログラミング教育では、これまでの「プログラムによる計測・制御」から「計測制御のプログラミングによる問題の解決」となり、(ア)計測制御の仕組み(イ)計測制御システムの構想と情報処理手順の具体化などが盛り込まれたため、「すべての生徒にプログラミング知識の理解と成功体験を持たせる」という目的で「直観的に利用できる」「生徒が考えた構想(アイデア)を簡単に具現化できる」特徴を持つ「MESH」と「MESHアプリ」をプログラミングツールとして利用してみようと考えました。

授業のテーマはどのようにして決めましたか

第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された 「Society5.0」に向け変化している社会の中で、生徒自身がどのようにプログラミングが活用され 関わりを持っていくことができるのか、生徒自らが生活や社会の中から問題を見いだして課題を 設定し、解決策を構想、実践をし、自己・相互評価するPCDAサイクルを行い、知識だ けではなく具現化することを目標とし「MESHを利用した実践型プログラミング授業によ る計測・制御のへの取り組み」というテーマに決めました。

この授業のねらいは?

現在の中学校では1年生は小学校でプログラミング授業を体験してきていますが、2年生、3年生については中学校からスタートします。そういう意味で授業の狙いとしては「生徒全員が取り付きやすい教材を利用しプログラミング的思考やプログラミング手法など基本知識を理解できること」に主眼を置きました。またMESHは繰り返し学習になりますが、考えたアイデアを具現化することができるので、授業ごとに生徒の理解度を確認しながら進めることができました。

用意した機材と授業の様子

使用機材/素材

  • MESH以外
    • Chromebook(生徒用配付PC)
    • MESHブリッジ
    • Google Classroom
    • 各種ワークシート

授業の流れ

授業日程

  • 2021年10月8日(金)~11月12日(金)
 

1時間目 順次処理、条件分岐処理 その1

  • ボタンとLEDブロックを利用し順次処理の基本を理解する
  • スイッチブロックを利用し条件分岐の考え方を理解し、ブロック図やフロー図などが書けるようになる
 

2時間目 順次処理、条件分岐処理 その2

  • 一般社会で応用されている信号機などの仕組みについて考える
  • スイッチ、タイマーを利用し信号機の動きを再現し、仕組みを理解する
 

3時間目 繰り返し処理 その1

  • カウンターを利用し繰り返し処理の考え方を理解すると共に 順次処理と繰り返し処理の違いをブロック図などで理解する
 

4時間目 繰り返し処理 その2

  • 順次処理と繰り返し処理の違いをブロック図などで理解したうえで スイッチ、カウンター、タイマーなどを利用し、効率よいプログラミングを行うための理解を深める
 

5時間目

  • Google Classroomを利用したプログラミング授業のレポート作成と共有により、自己評価と合わせクラスのメンバーからのフィードバックを得ることで新たなアイデアなどの気づきを得る

どんなことを工夫しましたか?

コロナ禍による授業のコマ数削減など教育現場にも影響が出ており、効率的な授業展開が必要となっています。2020年度より学内ネットワーク整備が進み、2021年度より生徒一人にChromebookが配付されたため授業の実施方法も大きく変化してきました。50分という授業時間の中で開始、終了にかかる手間をなるだけ簡単にし、学びの時間を確保するためMESHとMESHブリッジを利用することで、準備時間の大幅短縮、取り扱い説明の簡素化、不注意などでの破損防止など授業以外での負担が軽減され、スムーズに授業を進めることができるようになりました 。
また毎回の作成物についてはスクリーンショットで保存。Google Classroomを利用し、課題のまとめ、提出、生徒へのフィードバックなどを実施しました。生徒としてはICTツールを利用することでレポート作成時間の短縮や提出の利便性を体験することで、ICTツールの有効性を認識できたと考えています。
また「プログラミン教育で社会とのつながり意識をより強いものにする」という目的で 授業講師を外部に委託。教員、ICT支援員、外部講師とそれぞれの強みをミックスし、MESHで考えたこと具現化、学びの実践まで取り入れた授業構成としました。

今回授業でMESHを使用された感想を教えてください

いくつかのプログラミングツールをテスト的に検討しましたが
  • 授業準備の簡単さ
  • 生徒に興味を持たせた授業展開
  • 思考の具現化
以上の点でMESHは優れており、個人での学びからグループによる作品制作まで 幅広く活用できると思いました。
 
今後は小学校も含めた「9年間の学びのインプットをどのように実社会に対しアウトプット できるのか」考えさせることで、継続性のある教育としていきたいと思っています。