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実践例|中3 技術「計測・制御の技術を活用し、多くの人が生活しやすい戸田市をプランニングしよう」戸田市立戸田中学校

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戸田市立戸田中学校では、中学校3年生の技術「計測・制御のプログラミングによる問題の解決」の単元にて、「計測・制御の技術を活用し、多くの人が生活しやすい戸田市をプランニングしよう」とういう授業を実施。MESHを活用し、授業実践をされた吉澤先生に、授業実施の背景やどのように授業を展開されたのかを伺いました。

 

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  • ■学校名            :埼玉県戸田市立戸田中学校
  • ■ご担当先生    :技術科担任 吉澤 凌樹先生
  • ■児童数            :3学年6クラス(2人1グループで利用)
  • ■実施時間        :本時50分×7回
  • ■使用端末  :Chromebook

本実践事例の指導案PDF

本授業の指導案を公開しております。こちらからダウンロードしてご覧ください。

 

今回の授業を実施した背景は?

内閣府より第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」という「Society5.0」が提唱されました。このテーマを具体的に体験させることで、社会変化をより自分事としてとらえ、目指すべき方向を考えさせることが重要と考えました。

 

授業テーマはどのように決めましたか?

戸田市では、生徒が1人1台家庭にCromebookを持ち帰り、学習を進めています。学校と家庭が繋がるようなシームレスな学びを実現するために、学習の題材を街中に向けました。多くの方が生活するこの街をより過ごしやすく、より住みやすい街にするためには少数派の方たちに目を向ける必要があると考え、「利便性」だけでなく「ノーマライゼーション」と言う視点で戸田市を見つめて課題解決をしてもらいました。身近な環境の中で課題を発見し、プログラミングの知識を活用し、解決手段を考えることで思考力の育成を目指しました。

 

MESHを授業に採用した理由やきっかけは?

前任の自治体でMESHを利用したことがあり、下記のような理由で採用しました。

  • ・生徒のプログラミング授業に対するモチベーションが高められること
  • ・構想を簡単に具現化できること
  • ・スキルの有る無しにかかわらず、使いこなせること
  • ・市教育委員会で貸出し用のセットを用意していたこと


本時(6時限目)での活動

 

用意した機材

使用機材素材

MESH

MESH以外

  • ・Chromebook
  • ・MESHブリッジ
  • ・Classroom
  • ・Jamboard上のアクティビティ図
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本時の授業の流れ

手順1.  本時の目標を確認する。(5分)

2人1グループになり、先生がClassroom上で配布したプレゼンテーションのテンプレートを受け取る。本時では「計測・制御システムの制作を行うとともに、制作意図や詳細を、プレゼンテーションツールでまとめてみる」という目標を確認する。

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手順2. 計測・制御システムを制作する準備を行う(5分)

MESHをすぐに使用できるようにPC端末を起動し、セットアップする。

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手順3. 構想した計測・制御システムを制作する。(30分)

前時に考えたアクティビティ図をもとに、実際にプログラミングしてシステムを制作し、試行していく。他グループのアクティビティ図なども見ながら、より良いシステムとなるように改善していく。

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前時で考えたアクティビティ図を編集し、改善を検討する生徒たち

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他グループのシステム構造図を参考にできる



 

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プログラムを作成し、改善しながらシステムを制作していく

 

手順4.計測・制御システムを改善し、プレゼンテーションにまとめる。(10分)

本時で行った活動をプレゼンテーションツールに記録する。作成したシステムのプログラムもスクリーンショットで撮影し、資料として保管し、次回の授業ですぐに活動を振り返れるようにしておく。

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次回も作業しやすいように内容をまとめる

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制作したシステムのプログラム画面を、スクリーンショットをして、プレゼンテーションに貼付する


生徒が開発した作品

・自動ドア衝突防止システム

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・そろそろ時間ですよ~お知らせシステム

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授業の準備ポイント

・生徒の思考を可視化する
MESHのアイコン画像をJamboardに貼付するために、共有ドライブにアイコン画像を保存しておき、生徒が取り出せるようにしておく。システムを構想する際に可視化しやすいように工夫。前時までに学んだ計測・制御システムの基本的な仕組みに当てはめながら考えることができる。

・グループ間でいつでも共有・閲覧できるようにする
各グループで考えたアクティビティ図を、お互いに見えるように共有する。システム制作時に他グループのアイデアを参考に改善することができる。また、他グループに見てもらいフィードバックをしてもらうなどの相互評価でも使える。

・生徒の考えを具現化する
「住みやすい戸田市の実現計画」を作成するために、プレゼンテーションのテンプレートを用意。生徒が考案した計測・制御システムに込められた思いや技術的な視点を可視化することで意図を理解できる。

 

生徒たちの感想

・身近にあるものの仕組みを、授業を通して理解できました。まだ、この世にないものを1から考えることは難しかったですが、ペアで協力し、試行錯誤することで開発者の苦労がわかったので、物は大切に扱おうと思います。

・より生活しやすい戸田市を目指したMESHを用いる制作は考えるものも工夫するのも大変でした。技術の授業を通して、どうすればよりよくなるか考える事の大切さを知れる貴重な体験ができてよかったです。

 

今回授業でMESHを使用された感想を教えてください。

ますは、インパクトがもの凄く良いので生徒の取り組む意欲が向上します。また、センサやアクチュエータ・ロジックが充実しているので問題発見⇒課題解決の柔軟性が増し、生徒の考える力を伸ばすことができる教材だと考えています。今回は、街中をテーマにしたので実際にその場所においてシステムを動作させることができませんでしたが、小物に取り付けて身近な問題を解決することもできるので、あらゆる教科において実践できると思います。